勉強で子どもの気分が下がらない親の声掛け

勉強で子どもの気分が下がらない親の声掛けの方法

ただでさえ、勉強が苦手な子が多いです。
それなのに、勉強内容が難しかったり、苦手な科目だったりした場合は、子どもの気分は下がります。
気分が下がると勉強を余計にしなくなる、そんなお子さまを心配される親御さまも多いはず。

勉強による子どもの気分低下の対策は、好きな先生を探すことです。
学校でも好きな先生の授業だと、苦手な科目が好きになることもあり、子どもの気分も上がります。
かてきょの森」は、まさにそんな自分の子どもの好きな先生を探せるサービスです。

しかし、好きな先生を探すのも少し時間がかかります。
そこで今回は、子どもが勉強で気分が下がらない方法を、教育心理学をもとにお話します。

①子どもが勉強で気分が下がらないようにする親の声掛けの工夫!

子どもが、授業や勉強で気分が下がらないようにする一つの方法は、親の声掛けです。
特に、親の声掛けによって、子どもが自分自身に語り掛ける言葉を変えることが大事です。

それを示したのが、イギリスのバンガー大学とアベリストウィス大学の共同で行われた、Oliverら(2010)の研究です。
彼らは、学生がどのように自分自身に語り掛けるかで、勉強後の気分が変わることを調査しました。

自分自身への語り掛けの方法として、二種類のものがあります。
一つ目は、情報的な語りです。
情報的な語りとは、「自分で自分を活気づける」「どう感じるのも自由」などのように、自分自身の視点で、自分で主体的に選ぶことができ、ポジティブなフィードバックを自分に与えられるタイプの語りです。
勉強で言い換えますと、「この問題を自分の好きなように解ける」というような自分への語り掛けです。

二つ目は、支配的な語りです。
支配的な語りとは、「プレッシャーを感じる」「一つのやり方で考えるようにされている」などのように、自分自身が一つの方向に考えるようにさせられたり、あまり自分に選択権がないように感じてしまうタイプの語りです。
勉強で言い換えますと、「この解き方でないといけない」というような自分への語り掛けになります。

②語り掛けの違いで、授業や勉強で子どもの気分が下がるかどうかが変わる。

では、情報的な語りと支配的な語りで、授業後や勉強後の子どもの気分はどう違うのか?
まず、情報的な語りの場合、結果としてポジティブな感情になり、気分は上がります
また、勉強への不安度も下がり、子どもの気分が下がりにくくなります。

一方、支配的な語りは、下記の図のように、ネガティブ感情が強くなります

授業体験と語り掛けの違いが不安に与える影響

縦軸は、不安の大きさです。上に行くほど不安が高いことを示します。
横軸は、左側が悪い授業体験で、右側が良い授業体験です。
子どもが授業に対してポジティブなのかネガティブなのか、どう感じたのかを示しています。
黄色が、支配的な語りが強い子で、赤が中くらいの子、青が支配的な語りが弱い子です。

すると、授業に対してネガティブに捉えている場合、支配的な語りが強い子ほど不安になり、気分が悪くなっています。
授業に対してネガティブに捉えていても、支配的な語りが弱い子は、授業に対してポジティブに捉えた場合と気分は変わりません。

また、支配的な語りは、下図のように、授業の理解度によっても気分の低下は起こります。

授業の理解度と語り掛けの違いが不安に与える影響

横軸が違うだけで先ほどと見方は同じです。
横軸の左側があまり授業を理解できていなかった場合で、右側が授業を理解できた場合です。

すると、授業をあまり理解できていない場合は、支配的な語りが強い子ほど不安になり、気分が悪くなっています
支配的な語りが弱いと、授業を理解できた時と不安度は変わりません。
結果として、支配的な語りが強い子は、勉強内容が理解できないと、余計に不安になって勉強をやらなくなる可能性があります

そのため、親ができることは、できるだけ自分の子どもには「自分で選んで自由にしても良い」と普段から声掛けすると良いと思います。
その声掛けから、子どもの自分への語り掛けが支配的なものから情報的なものに変わり、授業後や勉強後の気分も良くなります。
それが、勉強へのハードルを下げて、子どもが自ら勉強しやすくなると思われます。

③まとめ

以上より、

  • 子どもが勉強で気分が下がらないためには、親の語り掛けが大事
  • 語り掛け方には、情報的な語り掛けと支配的な語り掛けの二種類がある。
  • 子どもに自分で自由に選べるという情報的な語り掛けをすると、子どもの気分は上がる。
  • 「こうしないといけない」という支配的な語り掛けは、勉強後の気分を下げる。

語り掛け一つで、子どもの勉強への考え方も変わります
もちろん、親が子どもに語り掛ける方法も大事ですが、まずは勉強に対する悪い体験や理解不足をなくすことが賢明だと思われます。
そのために、ぜひかてきょの森」で、子どもに合う先生を探してください。

そもそも悪い授業体験や理解できない感情がなければ、気分も下がりにくく、勉強へのハードルも下がります
そのあとに、親が情報的に語り掛けてあげると、子どもは喜んで勉強するようになるかもしれません。
ぜひ下記リンクをタップして、子どもに合う先生を見つけてください。

参考文献

Oliverら(2010). Interpretation of self-talk and post-lecture affective states of higher education students: A self-determination theory perspective. British Journal of Education Psychology, 80, 307-323.