子どもの勉強意欲を高める先生の指導方針とは?

先生の指導方針と子どもの勉強意欲

勉強が苦手な子でも、先生の指導の仕方によって勉強をするようになります。

「苦手教科だけど、この先生とだとできそう」と、子どもが思える先生は良い先生です。

逆に、「この先生は厳しいし、嫌だな」と思うと、子どもは途端に勉強をしなくなります。

確かに子どもと先生の相性の問題はありますが、子どもがもっと勉強をしたいと思えるような指導方針教育心理学では研究されています。

今回は、どんな先生の指導方針が子どもの勉強意欲を高めるのかをご紹介します。

①たくさんある先生の指導方針で、どれが子どもの勉強意欲を高めるのか?

世の中にはたくさんの指導方針があります。

しかし、その中で本当に子どもの勉強意欲を高める効果があるのはどれくらいでしょうか?

先生の指導方針に注目して、どんな指導法が生徒の勉強意欲を高めるのかを研究したのが、アメリカヒューストン大学Wolters (2004)です。

彼は、500人以上もの中学一年生と中学二年生を対象に調査を行い、先生の指導方針が子どもの勉強意欲や勉強の目的などとどのように関係しているのかを調べています。

特に注目しているのが、二つの勉強の目的です。

一つ目が、「パフォーマンス重視」で、勉強する目的が「他人より優れていること」や「自分が優れていることを証明すること」など、優れていることをアピールすることが目的に置かれている場合です。

試験や受験で、他人よりも良い点数を取ることを目的にするタイプの指導方針です。

二つ目が、「習得重視」で、勉強する目的が「自分のできないことを克服すること」や「できることの水準を高めること」など、最大限学習することを目的に置いている場合です。

試験の点数より勉強が身につくことを一番の目的にするタイプの指導方針です。

これらの「パフォーマンス重視の目的」と「習得重視の目的」の、二つの指導方針を比べています。

すると、結果は以下のようになりました。

先生の指導方針と子どもの勉強意欲

先生が「パフォーマンス重視」の指導方針であるほど、子どもは勉強が長続きせず、勉強することを先のばしにする傾向がわかりました。

一方、先生が「習得重視」の指導方針であるほど、子どもは勉強を試行錯誤し、勉強をするための計画を立てるなど、勉強に対して考えを巡らせるようになります

テストの点数や受験の偏差値もとても大事です。

しかし、それを指導方針に掲げてしまうと子どもの勉強意欲が下がります。
「できないことをできるようになる」という能力の獲得に重きを置く方が、子どもも勉強にやる気が出るということです。

②まとめ

まとめると

  • 先生の指導方針が子どもの勉強意欲に影響する。
  • 特に、パフォーマンス重視の目的を掲げる先生のもとでは、子どもは勉強することを先延ばしにし、さらに勉強しても短時間で終わる。
  • 習得重視の目的を掲げる先生のもとでは、子どもは勉強でつまづいても試行錯誤するようになり、勉強するための計画を立てるなど勉強について前向きになる。

先生の指導方針は、子どもの勉強意欲に大いに影響します。

特に怖いのが、先生の指導方針と子どもの勉強への考え方が合わない場合です。

先生の指導方針とのミスマッチによって、子どもは勉強するのが嫌になり、ますます勉強から遠ざかることになります。

かてきょの森」では、そんな問題をなくすために、子どもと相性の良い先生を選ぶことができます

ぜひ下記リンクをタップして、好きな先生を選んでみてください。

参考文献

Wolters. C. A. (2004). Advancing Achievement Goal Theory: using Goal Structures and Goal Orientation to Predict Students’ Motivation, Cognition, and Achievement. Journal of Educational Psychology, 96(2), 236-250.